ご挨拶

ご挨拶

高度な医療技術に対するニーズの高まりやそれに対応する技術革新はめざましいものがあります。こうした技術は、患者さんの健康改善だけではなく、感染症に対するワクチンなどのように健康な人々や社会全体にも価値があるものです。一方で、公的な制度でこれらの技術をまかなう際には、医療技術の費用も重要です。

ある医療技術にお金をかけるということは、他のことにお金をかけることが出来ないということを意味します。公的医療制度である新しい技術にお金をかけるためには、その技術以外の他のことの価値より新しい技術に価値があることを納得出来るように示す必要があります。このように、新しい医療技術の価値と費用の分析を定量的おこなうことを医療経済評価といいます。

慶應義塾大学では、健康マネジメント研究科において、医療経済評価人材育成プログラムを行っています。加えて、2020年度より「医薬品、医療機器及びの再生医療等製品の費用対効果評価における公的分析」を国立保健医療科学院から受託し、公的分析業務を行っています。

公的分析業務については、医療経済評価の知識や研究経験のある教員・研究員が担当しております。また、業務の独立性や情報管理の重要性を考慮し、公的分析の管理部局は人材育成プログラムとは別の医学部としております。

医療技術評価の実践的な取り組みである公的分析につきましても、学内学外のご協力のもと取り組んでおります。持続可能な制度運営のために少しでもお役に立てればと思っております。

慶應義塾大学大学院

経営管理研究科 教授
健康マネジメント研究科 教授

後藤 励