宇野俊介専任講師(医学部感染症学)の論文がClinical Infectious Diseases誌に掲載されました(doi: 10.1093/cid/ciad463)。本研究では支払い者の立場から、決定樹モデルを使用して、手術前におけるSARS-CoV-2PCRによる無症候性スクリーニングの費用効果分析を行いました。検査陽性率は 0.07%と仮定したところ、1死亡回避あたりの増分費用は74,469,236円、1 QALYの改善を得るのに必要
な増分費用は、291,123,368円/QALYでした。これは5,000,000円/QALYという通常
用いられる1QALY改善に対する閾値を大幅に上回っております。感度分析の結果、増分費用効果
比(ICER)が5,000,000円/QALYを下回るのは、検査陽性率が0.739%を超えた場合の
みでした。二元感度分析の結果では、術後呼吸器合併症の発症率が22%未満になった場
合、検査陽性率がどれだけ高くなろうとも、無症候性スクリーニングの費用対効果は悪い
ことを示しました。